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外に出るとぬるま湯のような湿度の夜だった。
もやっと霧が立ち込めて吸っても吸っても水分。
ざあっと降ることが叶わない台地と重い空気感。
風は1ミリも吹いてない。とても不気味だ。
いかにも霧の中からモンスターが出てきそう。
映画『ミスト』を思い出しながら立ち尽くし
暗闇に目をこらしても何も出てこない。
そうか。風か!また風か(笑)
風が吹けば霧は晴れるんだ!!
風はそんな役目も果たしていたんだと気付く。
もしも心の中がもやったら
風をふかせたらいいんだ。
巨大な扇風機をイメージして
ぶあああっと吹かせてみよう。
またさぶろーう!!
それはやはり雨が降る前兆だったようだ。
翌朝しっかりとあめが降った。
電線の上にはいつも見かける親子カラスが四羽。
子からすの鳴き声は「げぇぇ」
大きくなったらカアと響く声が出せるんだね。
もやもやあってこその雨。
もやもや悩んでからの雨。
新しい芽を出すには雨。
ありがとう雨。
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